コラボレーション

about me

Brain  
 僕は観察する。じっと観察をする。それは大家族の中の一番年下という環境で染み付いた僕の習性だ。
 そして、たっぷりと時間の余っていた子供の僕は観察→分析→仮説→修正という思考の道筋を作っていった。これは今の僕にもしっかりと根付いている
 大人になるにつれ、観察の対象はどんどん増えていったので、観察を「分析に耐えうるもの」に絞り込んだ。
 実の所、分析に値しないほど単純なものなんてめったに無い事を僕は知っている。だから、「分析に耐えうる」とは分析した所で小心者の僕をぶち壊さない
「僕の分析に僕が耐えうる物」と同義語である。
 僕は今日も分析をするそして、おしゃべりん唇で貴方を誘惑する。

Face  
 僕は僕の顔が気に入っている。なんて書くとナルシスとぽいがそういうことではない。
 中学生の時親父に、「生き様は顔に出る。20を過ぎたら自分の顔に責任を持て。それは、自分の生きかたに誇りを持つことだ。」と教わった。
 それから僕は、自分の顔に責任がもてるように生きてきた。
 女性にもてる顔を僕は知っている。そこと比較すれば、僕の顔は足りないものばかりだ。でも、僕は足りない事を知っている。そしてそれをどう埋めていくかのプランだってちゃんとある。
 先日、小学校の同級生と14年ぶりに会った。彼らの目に僕はどう映ったのだろう。今は、まだ完成していなくって良いと思う
 僕は素敵な言葉をプレゼントしてくれた親父と今までの僕に感謝して
 背筋を伸ばして、顔をあげ、少し大きめのスライドで歩き出す。

Eye  
 幸運なことに、僕はいまだに、全く魅力のない女性に出会ったことが無い。
 だから、「好きな女性のタイプは?」と聞かれると物凄く困ってしまう。
 そこで、僕はこの手の質問には苦手なタイプを答えることにしている。
 苦手なタイプ・・・それは、男に頼ることが当たり前だと考えている女性。えてして、彼女らは、男の僕を条件から見てくる。
 メイクにしたって、ファッションにしたって、立ち振る舞いにしたって、会話にしたって、ちゃんと、どうすれば男が喜ぶかを心得ているんだ。その点を、徹し切れているのであれば、凄いと思う。
 でもね、「君はどこにいるの?」って疑問で僕の頭は疲れちゃうんだけどね。

 最も、だからといって、「女」を捨てている人よりは良いと思うけど。

 理想はちゃんとある。
 ジョセフのパンツにナポリメイドのシャツを着て、あたかも男の気配はさせないで颯爽と仕事をしている。そんな彼女の休日は、ジョンスメドレーのニットにハウエルのスカートをはいて仕事に行く時はセットする髪もナチュラルなウェーブのまま。コンタクトではなく白山眼鏡のセル越しにお気に入りの雑誌を読みながらマリアージュの紅茶を飲んでいる。
 僕は、そんな彼女のために特製のフレンチトーストとモッツァレラのサラダで彼女の笑顔を独占したい。

ear
CDを300枚くらい持っている。別にどってことない。
今から思うと10代の頃はずいぶん、つまらないこだわりを持っていた気がする。
誰かのモノマネのようなロックにつばを吐き、ふにゃけたポップスに毒づいていた気がする。
今は、そんなこだわりが無い。
もっと自然に楽しんでいい気がする。
何も、音楽に限らない。ファッションにしたって昔からすると雑誌に頼らなくなった。
今はもっと五感を大事に、信じるようになった。
そんなおいらのお気に入りの10枚。全部知ってる人なんていないと思うけど
<洋楽>
ビリージョエル           「river of dreams」
ジャミロクワイ            「the return of space cowboy」
ブルッド、スウィート&ティアーズ 「greatest hits」
タヒチ80               「puzzele」
ガリアーノ              「the plot thickens」
<邦楽>
tokyo no1 soulset         「triple barrel」
ケツメイシ               「ケツノポリス」
ナンバーガール           「num heavymetalic」
小沢健二               「LIFE」
篠原美也子              「満たされた月」
この曲が、ここを通じて誰かの支えになったらちょっと素敵なことだと思う。

hands
「何であの手を離したんだろ??」
夢はいつもここで終わる。僕はいたたまれない位の、のどの渇きを覚えた。
夜間に火をかける。タバコにマッチから火をつける。肺に火薬の臭いを流し込む。
ぼーっと、沸騰するやかんを眺めている。
珈琲を入れるには熱過ぎる。

瞼の裏にこびりついて離れない台詞がうずたかく積まれている。
そのどこから再生をすれば良いんだ?自分に問い掛ける。答えなんてありっこないのに。

「昔の男が忘れられないの」そう言った彼女のすらりと伸びた長い手は
正月気分の抜けない雑踏の中に紛れ込んで行った。

「もう、終わりなんだよね」僕にそういわせたのは
淡い色のマニキュアしかつけない彼女が濃いブルーメタリックのシユウのマニキュアをつけていたからだ。
僕には見せない顔を誰かに見せているんだな。そう思ったとき、
僕の残されたプライドは別れの言葉を僕に言わせてもらうことに有った。

そのとき彼女の手から僕の上げた指輪が外された。
「もう、これをつけていることに耐えられないの」

いったいどれくらいの手が僕の記憶に残っているんだろ??
濃い目に作った珈琲が胃を軽く刺激しながら、またあの柔らかな感触を捜すのだろうか。。

mouth
よくしゃべる僕も、全くしゃべらない僕も
両方ともおいらだ。
じゃあ、どっちが好きかって言うと、ホントはあんまりしゃべりたくない。
しゃべる時、分析の方向性はほとんど活動していない。
つまり、僕にとってはとっても無防備になる瞬間なんだ。
だから。
逆にいうと、僕を無防備にしちゃうくらい
僕を饒舌にする人に僕はとっても弱い。

<spring>

TVを観ていたら
画面いっぱいのチューリップが出てきて
鼻が香りを再生しようと騒いでいるのに
ぼくのメモリーにそんなの無いから
突然君に電話をかける口実にはもってこいだから
「チューリップの香り 教えてよ」って
そしたら彼女は電話の向こうで困った様子で
「薔薇や鈴蘭なら香水に使われているんだけど・・・」
そういいながらちょっと考えて
「春の風の香りじゃない?」
何て言うもんだから
僕の脳みそはそれこそお祭り騒ぎで
さっそく2000円持って花屋に駆け込んで
買える限りのチューリップの花を買い込んで
スチールのバケツにそいつを放り込んで
その中に頭を突っ込んでやるんだ
そんな明日はどうだろう?

<summer>
あいつが死んだ夏
おれが生まれた夏
こんなに酒や煙草は美味いのに
こんなにギャンブルは愉快なのに
こんなに女の身体は柔らかいのに
なーんも体験しないで逝きやがって
お前は本当にバカだよな

いつだって苦行僧みたいな顔をして
妥協するのが大嫌いで
友達さえも作んないもんだから
おれはいつまで経ってもお前を忘れられないじゃないかよ

でもな、
グダグダ言いながらもな
お前が知らなかった事を知ったからには
おれは生きて生き抜いてやるよ

あいつが自由になった夏
おれが、自由になった夏

<fall>
満月が綺麗です
僕の心の深い所に隠したはずの瑕がうずきます
月は全てを許す微笑で
僕の背後にそっと立ち
優しい言葉で囁きかけてきます
「狼男になる準備は出来たのか?」

<winter>
彼女は太陽よりも早く目を醒ました
ニット帽に、軍手をはめランニングシューズをきつめに縛り
彼女は肺の中に生まれたての空気を吸い込んでやる

走り始めたきっかけは
あの男を見返すためだった

でも今は違う
昼間に都会の真ん中で男の部下に指示を出す私と
冴えない格好で細工なフォームで走っている私と
二人が会話を楽しんでいる

いつもの長い坂を駆けあがり
春になれば桜祭りの舞台になる公園

じかんが・・・ゆっくりとなる・・・
もみのはが・・・めのまえを・・・すっとぐらいだーしていく・・

見覚えのある黒いワゴン
心臓の音が太鼓のように耳に響いてくる

あしが・・・とまりそうになる・・・
ドウスル???

彼女はいつもと変わらないスライドで走り去っていく
冬はまた巡ってくる
そう、君は確かに生きている
 



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